「SST」「煌流」プロトタイプVer7 最終検証
一年半前から繰り返しテストを行いついに最終テスト品が完成します。
商品化をする前はこんな感じで粘土をいじってモックアップを作成することが多いです。納得いかない時はスケッチ書いて修正を加えます。
性能だけじゃなくて見た目にもスタイリッシュで機能的なものをデザインするように心がけています。
スイミングやバランス、抵抗などの条件は過去の経験頼りですが、何度も痛い目に逢ってますのでハズレは少ないです。
「SST」「煌流」は、釣り方のエキスパートやオフィシャルのメンバーと共同で仕様を決めたので、初回のプロトタイプ作成時で半分くらい完成した手ごたえがありました。
設計の日はいつも土日の作業。誰にも話しかけられることなくストーンズやビートルズ(古い人間ですから)聞きながら集中して?ゴリゴリやってます。
ビール飲みながら実に楽しい時間です。
昔はバルサやケミカルウッドを削っている時代がありましたが、現在はそんな手間をかけることしなくてもこいつが分身となってくれます。
一個作るのも十個作るのも同じ時間で完成するすごいやつです。ものの2時間もあれば完成。まさに産業革命! 居眠りしてしまっても0.01mm の精度で文句も言わずがんばってくれ、目覚めた時は完成しています。
モックアップが完成し3日で鋳型を作成した後に最終のプロトタイプを鋳造しました。
蛍光、偏光塗料、ホログラムや染料系塗料の組み合わせで無限の組み合わせの塗装パターンがあり、これもまた楽しい作業ですが、人海戦術で居眠りは不可です。
今日は朝から構成パーツのひとつ「エビストッパー」を作りました。
テンヤを積極的に動かすアグレッシブな釣り方でもエサが脱落しにくいようダブルロック方式です。
試作は治具を使ってベイト(エビ)ストッパーを手曲げします。わずか0.1mmの差で使い勝手が変わるので慎重に作成。50pcs作るのに5時間。指先が火事です。
孫バリ作りは針結び機にお世話になります。撞木の針に6号のフロロカーボンを本結びをするのに何度も輪をくぐらすのはいささかストレスですので。言い訳ですけど。
このようにして新商品のテンヤが完成しました。左の写真が真釣「SST/左」「煌流/右」です。
6月のフィールドテストではこの2つのモデルは封印していましたがようやく公開できた次第です。
2つのテンヤの特徴はロッドワークで喰わせるルアーライクなテンヤです。エサだけでなくワームも使えます。
「SST」はラインを張りながらテンヤをターゲットの口元にとどけ、小さなアタリを捉えて早掛けするテクニックが生かせる仕様です。
いっぽう「煌流」はテンヤを生き物のように操作させリアクションバイトで喰わせるテンヤです。
なんだか理屈っぽくなりましたが「そんな難しい釣り方なんてわからん」なんてビギナーの方、テンヤはエサを付けて釣るので、きちんとタナをとればいつもの釣り方で釣れてくれますのでご安心ください。
明日塗装を終えパーツをアセンブリーしたら終了。本プロトタイプは最終テスト後、発売の準備に入ります。
「SST」開発チームの木原氏とテストメンバーの皆様、そして「煌流」開発リーダーの森氏とオフィシャルパートナーの皆様、たくさんの方が多くの時間とテストを重ねていただきノウハウ満載の商品が完成しました。
今回の共同作業はきっと良い成果を生むものと思います。みなさま本当にありがとうございました。